弁護士が相談を受けられない事情
早いもので、金沢へ来て2ヶ月が経ちました。
「梅雨で気が滅入る」と聞いていたのですが、今年は梅雨入りが遅く、昨日雨が降り出したばかりですので、引っ越ししてから2ヶ月間は非常に快適でした。これからがやや憂鬱ですが。
ブログの更新も1週間以上空いてしまいました。すいません。忙しかったためです。
当初は、開業後半年ぐらいは暇だろうと思っていたのですが、結構仕事があって忙しく、嬉しい悲鳴を上げております。
仕事は、法律相談から受任したものもありますが、大半は、金沢の弁護士から紹介してもらったものです。金沢の先生方には深く感謝しております。
さて、金沢の弁護士は、自分で依頼を受けずに、私を紹介しているケースがあるわけですが、「なんで自分で仕事しないの?」と疑問に思われる方もあるでしょう。
弁護士が他の弁護士を紹介する場合、「他の仕事が忙しくて、依頼を受けられない」等というケースもありますが、概ね「利益相反(りえきそうはん)」を理由とするケースが多いように思います。
私も「利益相反」を理由にお断りしたことがありますが、なかなか理解して頂けませんでした。今回はこの「利益相反」について少し書いてみたいと思います。
「利益相反」とは、簡単に分かりやすくいえば、「喧嘩している2人につき、2人ともの弁護をするのは駄目」ということです。
たとえば、AさんとBさんがもめているとします。
弁護士が、最初にAさんから相談を受け、Bさんへの法的対抗手段をアドバイスします。
その後にBさんから相談を受けたとき、Aさんへの法的対抗手段をアドバイスしてはなりません。この場合、Bさんからの相談は、「利益相反」を理由として、お断りすることになります。
さて、なぜ紛争の両当事者につき、両方ともにアドバイス等をしてはならないのでしょうか。
弁護士は、相談者・依頼者の利益のために活動をすべき義務を負っております。
Aさんから相談を受ければ、Aさんの利益を考えて、アドバイス等をしなければなりません。Aさんの利益になるということは、逆から言えば、Bさんにとっては不利益になるアドバイスをするわけです。
Bさんから相談を受ければ、Bさんの利益を考えて、アドバイス等をすることになります。それはAさんにとって不利益なことです。
つまり、Aさんの利益を最大限に考えながら、かつ、Bさんの利益も最大限に考えるというのは、不可能なのです。両方にアドバイスをすれば、どちらかの利益が害されます。
喧嘩している2人につき、2人ともに味方するというのは、自分一人で両手でジャンケンをしているようなもので、必ずどちらかが手抜きになります。
そのため、弁護士は、紛争の一方当事者にしかアドバイス等をしてはならないということになっているのです。
Aさんから既に相談を受けた等という事情がある弁護士が、Bさんからも相談したいと言われた場合、Bさんからの相談は受けられないため、私を紹介して下さっているということです。
しかし、別の弁護士であれば誰でもよいわけで、「私」である必然性はどこにもありません。つまり、金沢の先生方は、開業したばかりの「私」の経営を気遣って下さっているのです。有り難いことです。
920-0902
金沢市尾張町1-2-23 プチハイム尾張町1階101号
ネクスト法律事務所
弁護士 細 見 孝 次
tel 076-261-6670/fax 076-261-6675
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント