ライブドア社長逮捕
ライブドアの堀江社長らが逮捕されました。
堀江社長は人間的に好きにはなれませんが、ある意味では尊敬もしておりましたので、非常に残念です。
ライブドアは容疑を否認しており、今後の捜査の展開を見てみないと分かりませんが、容疑の一つになっている「売上げの架空計上」というものについて一言。
破産事件なんかを見ておりますと、この「売上げの架空計上」をちらほら見かけます。
たとえば、
売上げ 1000万円
経費 1200万円
利益 ▲200万円
の赤字会社が、架空の売上げを500万円作れば(たとえば、500万円の商品が売れたことにすれば)、
売上げ 1500万円
経費 1200万円
利益 300万円
と黒字会社に早変わりします。
黒字になれば税金が発生するわけで、会社にとっては現金の収支からいえば「損」になるのですが、社会的な信用を維持したり、銀行からの資金調達のために、決算書上黒字にしておくわけです。
親会社・子会社の関係であれば、売上げを架空計上しやすいです。
また、以前破産事件で見た事例では、相手方の了承なしに、一方的に売掛金を帳簿にあげている会社もありました。
このような会社が破産すると、決算書上、非常に不思議な現象が起こります。
たとえば、平成12年:創業、平成13年度:黒字、平成14年度:黒字、平成15年度:黒字、ときて、
平成16年:破産
になったりします。
「なんでずっと利益が出てたのに、破産するんだ」という感じですが、決算書を見てみると、毎年、特定取引先への「売掛金」が掲載されてたりします。
ですので、決算書を見るときには、「会社の規模に比べて売掛金が多い会社は要注意」と言われます。粉飾決算の可能性が高いからです。
これは本当かウソか分かりませんが、破産事件で事情を聞いていますと、「税理士の指示でやった」と言う人が結構多いのに驚きました。確かに、粉飾決算の手法など、中小企業のおっちゃんには分からないでしょうが・・・。でも、税理士が指示したという確証もないので、これまで税理士の責任云々というところまで発展したケースは私はありません。そういえば、今回逮捕されたライブドアの取締役も税理士さんでしたね・・・。
会計基準も曖昧な部分がありますので、これも粉飾の温床になっているということなのかもしれません。
いずれにしましても、破産事件で私が見た「粉飾決算」は、大きな社会問題になったりはしませんでした。やはりライブドアがこれほど大きな問題になっているのは、上場会社であることに加え、社会的な地位が非常に高いからであろうと思います。
「世界一の会社」を目指しているそうですが、そう言える程社会的認知度が高まり、社会的地位が高くなった会社であればあるほど、「赤信号 みんな渡っても 渡らない」という潔癖さや、「李下に冠を正さず」という精神が必要になるのだろうと思います。
社会的地位が高く、社会的信用を築いてきた会社ほど、失う信用は大きくなりますし、その分信用失墜に伴う損害の発生は大きくなりますからね。
今、コンプライアンス(法令遵守)が盛んに叫ばれていますが、会社が大きくなればなるほど、社会的地位が高くなればなるほど、一層慎重に法令遵守に努めなければならないということなのだと思います。
ただ、「君子危うきに近寄らず」だけでは積極的な企業運営もできませんので、経営者の方は、本当に大変だと思います。「節税」と「脱税」の境界線が微妙なように、「合法」と「違法」の境界線が微妙なこともあります。境界線を踏み越えないように気をつけながら、チャレンジしていかねばならないのですから。
弁護士も、普段他人に「法律を守れ」と言っている立場上、万一違法行為があれば大変なことになります。慎重に業務に努めていきたいと思います。
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ネクスト法律事務所
弁護士 細 見 孝 次
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