中国の弁護士報酬
またまた僭越ながら、中国の判例について原稿を書かせて頂きました。
国際商事法務Vol.34 No.3(最新号)の「中国案例百選」のコーナーに掲載されております。
タイトルは「遺言執行者の弁護士報酬をめぐる紛争」です。
遺言執行者となった弁護士に対する報酬が高すぎるのではないかという争いです。
判決文では遺産総額は分からないのですが、現金だけでも約1316万元ですからかなりの遺産です。
1元=14円としますと、1316万元は、日本円で1億8424万円となります。
中国の平均年収を8500元(日本円11万9000円)、日本の平均年収を500万円として計算した場合、中国で1316万元(日本円1億8424万円)の遺産ということは、日本でいえば約77億4000万円の遺産に相当する感覚です。
相当の資産家です。
これに対し、本件で弁護士が遺言執行の報酬をとして受け取ったのは20万元(日本円280万円)でした。
遺産総額も不明ですので、妥当なのかどうかは分かりませんが、何はともあれ、この紛争では、遺言で、遺言執行者の報酬を決めておかなかったことから起きました。
日本では、遺言で定められていない場合は、家庭裁判所が決めます。ですので、遺言執行者になったからといって、勝手に決めることはできません。
しかし、トラブル防止のためには、決めておくに越したことはありません。
中国では、日本のような裁判所が決めるという規定がないもので、それも紛争発生の一要因となっております。
中国では、貧富の差が激しくなっており、貧困層が多数いる一方、上記のような資産家も増えております。
一方弁護士との間のトラブルも増えているようです。
日本でも報酬を巡る紛争はありますが、根本的な問題は契約時に明確に決めていないことにありますので、弁護士に依頼されるときは、着手金がいくらで、報酬がいくらになるのか、聞きにくくてもはっきり聞いておくようにしましょう。
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弁護士 細 見 孝 次
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