2006年3月17日 (金)

中国の弁護士報酬

 またまた僭越ながら、中国の判例について原稿を書かせて頂きました。

 国際商事法務Vol.34 No.3(最新号)の「中国案例百選」のコーナーに掲載されております。

 タイトルは「遺言執行者の弁護士報酬をめぐる紛争」です。

 遺言執行者となった弁護士に対する報酬が高すぎるのではないかという争いです。

 判決文では遺産総額は分からないのですが、現金だけでも約1316万元ですからかなりの遺産です。

 1元=14円としますと、1316万元は、日本円で1億8424万円となります。

 中国の平均年収を8500元(日本円11万9000円)、日本の平均年収を500万円として計算した場合、中国で1316万元(日本円1億8424万円)の遺産ということは、日本でいえば約77億4000万円の遺産に相当する感覚です。

 相当の資産家です。

 これに対し、本件で弁護士が遺言執行の報酬をとして受け取ったのは20万元(日本円280万円)でした。

 遺産総額も不明ですので、妥当なのかどうかは分かりませんが、何はともあれ、この紛争では、遺言で、遺言執行者の報酬を決めておかなかったことから起きました。

 日本では、遺言で定められていない場合は、家庭裁判所が決めます。ですので、遺言執行者になったからといって、勝手に決めることはできません。

 しかし、トラブル防止のためには、決めておくに越したことはありません。

 中国では、日本のような裁判所が決めるという規定がないもので、それも紛争発生の一要因となっております。

 中国では、貧富の差が激しくなっており、貧困層が多数いる一方、上記のような資産家も増えております。

 一方弁護士との間のトラブルも増えているようです。

 日本でも報酬を巡る紛争はありますが、根本的な問題は契約時に明確に決めていないことにありますので、弁護士に依頼されるときは、着手金がいくらで、報酬がいくらになるのか、聞きにくくてもはっきり聞いておくようにしましょう。

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2006年2月24日 (金)

行列のできるなんでも相談

 昨日は、石川県立武道館にて、商工会議所中小企業相談所主催の「行列のできるなんでも相談」というものに行ってきました。

 この企画は、弁護士や司法書士、税理士などを集めて、相談内容に応じて、各専門家が相談に応じるという内容のものです。

 我々弁護士は、税理士登録などもできますが、税金の知識に詳しい弁護士はそう沢山はいません。ですので、弁護士から、「税金のことは税理士さんに相談してください」と言われた方も多いのではないかと思います。

 「たらい回し」のようなことがないよう、各専門家が一堂に集まって、相談に応じるというのは非常によい企画だと思います。

 ところが、昨日は残念なことに、相談者の方がお一人しかありませんでした。私以外の担当者も同じぐらいだったようです。ということで、昨日は「行列」は全然できませんでした。

 以前、香林坊大和でも同じような企画がありました(商工会議所主催だったかどうかは記憶が定かではありませんが)。このときは、ひっきりなしに相談者の方がこられました。「行列」とまではいかなくても、かなり盛況でした。

 昨日のは、ご存じの方が少なかったのかもしれませんね。またこういう企画がありましたら、ご利用下さい。

 また、この企画では、時間をそれほど気にせずにお話を聞けるというのもいいと思います。

 通常の法律相談では、1人30分という時間設定になっております。金沢弁護士会でもそうですし、金沢市役所などの相談でもそうです。しかし、相談内容によっては、15分で終わるものもあれば、1時間かかるものもあります。これを一律30分で区切られているので、早く終われば待っておかなければいけませんし、時間がかかる相談ですと時間を気にしながら相談に応じなければなりません。

 しかし、以前香林坊大和であった企画でもそうでしたが、昨日の企画では、複数の弁護士が待機しているので、一つの相談で私が少々時間を費やしても、他の相談者の方には、他の弁護士が対応します。

 また、15分で終われば、次の方をお待たせせずに、すぐに相談を始めることもできます。

 ということで、相談者の方にとっても便利な企画かと思いますので、今後機会がありましたら、どうぞ皆様ご利用下さい。

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2006年1月12日 (木)

高裁事件(民事)

 昨日は、金沢にきて初めての高等裁判所での裁判がありました。

 北陸3県は名古屋高等裁判所の管轄で、福井地裁・金沢地裁・富山地裁の控訴事件は、名古屋高等裁判所金沢支部で審理が行われます。

 地方裁判所での判決に不服があれば、高等裁判所でもう一度審理をしてもらえるわけですが、とは言っても、ゼロからやり直してくれるわけではありません。

 基本的には、地方裁判所での審理の結果をもとに、裁判が進行していきます。

 高等裁判所では、地裁の判決のどこがおかしいのか、なぜおかしいのかということを主張し、その主張の是否を高裁の裁判官が判断することになります。

 ですから、地裁で既に調べた証人を、もう一度高裁で調べてほしいと申請しても、却下されることが大半です。

 地裁での判決後に新たに判明した事実に基づき、証人申請をしても、証人尋問まで実施してくれるかどうかは分かりません。

 ですので、地裁で2~3年かかった裁判でも、高裁では、1回の審理で終わってしまうケースが大半です。

 「あっけないな」と思われる方も多いと思いますが、この理由としては、

1 一度地裁で審理をしていること

 があげられます。一度やったことを、再びゼロから審理する必要性がなく、これまでの審理の記録書類を見れば、十分に地裁の判決の是否は判断できるということです。

 昨日の裁判も昨日始まって、昨日審理が終わりました。

 それから、

2 高等裁判所の裁判官が忙しすぎること

 も重要な要因ではないかと思います。

 大阪で仕事をしていた頃も、高裁の裁判官は忙しそうでした。地裁の判決が出て、控訴をしてから、審理が始まるまでに数ヶ月かかってました。

 しかし、名古屋高裁金沢支部は明らかに大阪高裁以上です。昨日始まった裁判は、地裁の判決が出てから約半年が経過しております。

 金沢の弁護士からは、丁寧に審理を行っているということで、好意的な声も聞きますので一概に悪いというつもりはありません。手抜き審理をされては本末転倒ですので、裁判官の人数を増やして頂くしかないんでしょうね。

 某裁判官で、「二度と高等裁判所には戻りたくない。忙しすぎる。」とぼやいておられた方も。

 あと、高等裁判所では、和解を勧められることも多いです。昨日の裁判でも、裁判官から和解勧告がありました。

 和解勧告を悪意的に見て、「裁判官が判決を書くのが面倒くさいから、無理に和解させようとしている」という声もあります。

 本音としてはそういう部分もあるのかもしれませんが、どんな事件でも和解を勧めてくるわけでもないですので、単に面倒臭いから和解を勧めるということではなく、裁判官として和解で決着させた方が良いと思った事件について和解勧告をしているということだと思っております。

 ちなみに、私は、高裁での和解は比較的前向きに考えております。

 判決をもらって、仮に勝ったとしても、それで全てがうまくいくわけではなく、和解で決着させた方がいい事案も沢山あるからです。それに、地裁より、高裁の裁判官の方が和解の勧め方が上手で、当事者が納得しやすいという印象もあります。

 勿論ケースバイケースですし、担当裁判官にもよります。地裁でも和解勧告の上手な裁判官は沢山おられます。何より和解は依頼者が納得することが大事ですので、私個人の考えで和解を強要するということはありません。

 昨日の裁判は、和解で決着するのか、判決まで行くのか、これから依頼者とも相談しながら進めていかねばなりませんが、いずれになるにしても、良い結果となるよう念ずるばかりであります。

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2006年1月 5日 (木)

あけましておめでとうございます

 新年あけましておめでとうございます。

 今日から業務開始です。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

 今日はまだ電話も少なく、やはり年始は静かです。

 弁護士の仕事は、年末が忙しく、年始は比較的暇です。

 ちなみに7月・9月は忙しく、4月上旬、8月は割と暇です。

 ですので、

 1月 ヒマ

 2月 普通

 3月 やや忙しい

 4月 上旬はヒマ

 5月 普通

 6月 普通

 7月 中旬頃まで忙しい

 8月 ヒマ

 9月 比較的忙しい

 10月 普通

 11月 普通

 12月 忙しい

 という感じでしょうか。

 7月下旬から9月上旬にかけてヒマになるのは、裁判官が夏休みに入るからです。裁判官は、7月下旬から8月中旬ぐらいまでと、8月中旬ぐらいから9月上旬ぐらいまでの2交替で夏休みを取ります。

 ですので、夏休みの直前・直後である7月中旬~下旬と9月上旬~中旬頃は、必然的に、法廷が集中します。8月はあまり法廷はありません。裁判官がいても、相手方弁護士が夏休みだったりもしますし。そういったことで、8月はヒマです。

 誤解なきように書いておきますが、夏休みと言っても、裁判官は、自宅とかで仕事をしていますので、別に長期間遊んでいるわけではありません(中にはそういう人もいるかもしれませんが)。夏休み中に判決を書いて、夏休み明けに判決言い渡しになることもよくあります。

 4月上旬は、裁判官の異動の時期で、やはり法廷が少なくなりますので、少しヒマになります。

 12月は年末で、お歳暮送ったり、年賀状書いたりするのも忙しいのですが、依頼者が「紛争は年内に決着させて、すっきりして新年を迎えたい」というお気持ちの方が多いものですから、仕事も忙しくなります。

 弁護士が「年内にはやります」と言ってしまい、言ってしまった手前、忙しくても仕事を入れることもありますし(私はあまりありませんが)。

 その反動で1月はヒマになります。一度、「年末は忙しくなるから」と言って、出来るだけ年明けに仕事を入れるようにしたら、1月が異様に忙しくなってしまったことがあります。反省して、それ以降は、やはり年内に頑張るように心がけています。

 スローペースで始まった正月明けの業務ですが、余裕のあるうちに、準備書面とか、原稿とかも書いておかないと、後で血を見そうですので頑張ります。

 今年もよろしくお願い申し上げます。

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2005年8月24日 (水)

債権回収(2)~不動産執行①~

 前回から約2週間経過してしまいました。忙しかったためです。すいません。

 債権回収の続きです。今回は不動産執行について書いてみます。

 不動産とは、土地・建物のことです。なお、船舶・航空機などは、不動産ではありませんが、不動産に準じて取り扱われます(準不動産執行といいます)。

 不動産執行は、大きく分けて2つあります。

 「売り飛ばす」ものと、「売らずに活用して、あがった収益から回収する」ものです。

 「売り飛ばす」ものは、一般に「競売」といわれるものです。裁判所を通じて売ってもらい、売却代金の中から返済を受けます。

 「あがった収益から回収する」ものは、「強制管理」・「収益執行」と言われるもので、これは一般にはあまり知られていません。実務上も多くありません。

 競売手続の概略は次のとおりです。

1 競売申立

2 物件の調査

3 売却基準額決定

4 入札

 要するに、

1 裁判所に競売申立をすれば、

2 裁判所の方で物件を調査して、

3 物件の価格を決めてくれます。

4 それをもとに、入札が行われ、最も高い買値を呈示した人が購入できるというものです。

 なお、物件の調査は、裁判所執行官による現況調査と、不動産鑑定士による評価が行われます。そして、それらをもとに、裁判所で物件明細書が作られます。

 裁判所執行官と不動産鑑定士はただでは動いてくれませんので、不動産競売には数十万円以上の費用がかかります。物件が売れれば、これらの費用は、売却代金の中から優先的に回収できます。

 「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」をいわゆる「3点セット」と言います。

 競売物件に興味がある方は、裁判所で3点セットを置いてありますから、見に行ってみて下さい。一部インターネットで閲覧できるものも増えてきております。

 現況調査報告書は、地図や物件の写真、部屋の間取り図などが貼付されています。これを見ればどのような物件なのかはイメージが持てます。但し、部屋の中の写真まではないのが通常です。

 評価書は、不動産鑑定士が、近隣相場や物件の状況に鑑みて、妥当な値段をはじき出します。ごちゃごちゃと計算式が書いてありますが、要するにいくらと査定したのかという結論だけ見れば十分です。

 物件明細書は、権利関係が記載されています。たとえば、建物に入居者がいる場合、賃借権があるということで、物件を買っても自分で自由に使えないこともあります。そこで、物件明細書を見て、権利関係をチェックしておく必要があります。

 ただし、物件明細書は法的なことが書かれていますので、分からない部分もあるかもしれません。その際は、弁護士などに相談して下さい。買った後で、「使えない」ということのないように。

 さて、競売で不動産を買うのと、一般的な不動産業者を通じて買うのと、その違いはどこにあるのでしょうか。

 誤解を恐れずに言えば、競売はハイリスク・ハイリターンで、不動産業者を通じて買うのはローリスク・ローリターンです。

 競売での物件の価格は、一般の流通価格の7割程度になっていることが多いです。つまり、1000万円の物件なら、700万円程度の評価が出るということです。うまくいけば、1000万円の物件を700万円で買うことができます。

 値段が安い一方で、リスクもあります。競売では、現状のままの引渡しになります。壁が汚れているとか、水回りが汚いとか、お風呂が壊れているとか、裁判所に文句言っても裁判所は取り合ってくれません。つまり、「こんなはずじゃなかった」となる危険性があります。勿論裁判所はリフォームなんてしてくれません。

 よって、ハイリスク・ハイリターンです。

 不動産業者を通じて買うのならば、当然不動産業者の利益も考えた値段になってますから、値段は高くなります。しかし、不動産業者が中に入ってくれる分だけ安心です。

 よって、ローリスク・ローリターンです。

 うまく物件を見抜く力がある人にとっては、競売物件は宝の山であり、これで儲けて、本を出している方もおられます。

 一方、不動産業者でも見誤ることはあり、競売で落とした物件が思うように売れず、赤字になることもあるようです。

 債権者側からいえば、担保にとっていても、時価の7割程度でしか売れないということを念頭においておかねばなりません。ですから、時価1000万円の不動産を担保に取るのであれば、確実に回収したければ、700万円しか貸してはいけないということです。銀行なども競売になったときの価格は考慮した上で、貸付金額を決めています。

 ただし、バブル当時は全く違ったようです。私が聞いた話では、バブル当時、4億円の物件を担保に、5億円の融資をしようかという相談があったそうです。相談を受けた弁護士が、「いつも担保7掛けとか言っていたのに、おかしいじゃないか」と言ったところ、ノンバンクの担当者は「いや、これぐらいすぐに値上がりしますから、いいんですよ」とか言っていたそうです。

 やはりバブル時代って、みんなおかしな感覚だったんですね。

 以上が不動産の競売手続の概要です。今日書いたことは一般的にもよく知られていることだったかもしれません。

 次回は、「売らずに活用して、あがった収益から回収する」方法(強制管理・収益執行)について書いてみたいと思います。

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2005年8月 3日 (水)

債権回収(1)~総論~

 ここ最近、何件か債権回収のご相談を受けました。

 売掛金を払ってもらえない、とか、貸金を返してもらえない、などです。

 不況の折、支払う方も辛いですし、支払を受ける方も回収できなければ他の支払に影響することがあり、切実な問題です。

 何回かに分けて、債権回収について書いてみたいと思います。

 今回は、大枠です。

 債権回収と言いましても、法律的には、相手方に全く財産がなければ回収はできません。

 テレビやマンガでは、身ぐるみ剥いだり、内蔵売れと迫ったりしていますが、これは言うまでもなく違法です。

 財産は大きく分けて、以下の3つです。

 (1)不動産

 (2)動産

 (3)債権

 (1)不動産とは土地・建物のことです。(2)動産とは、土地・建物以外の財産のことを言います。宝石や貴金属類、現金も動産です。(3)債権とは、請求権のこと。預金や売掛金等がこれにあたります。

 少し脱線しますが、よく法律相談でお聞きするのが、「貸したお金が返ってこない。裁判をして取り返したい」というご相談です。

 お気持ちは十分分かるのですが、「裁判をして取り返したい」の「裁判をする」と「取り返す」の間には、法律的には、大きな飛躍があります。

 と言いますのは、裁判を起こして、勝っても、自動的に現金になるわけではないからです。裁判所は、「被告は原告に対し、金100万円を支払え。」などと判決を下します。しかし、裁判所は、100万円の請求権があるということを認めてくれるだけで、裁判所が100万円の現金を渡してくれるわけではないのです。相手方が100万円支払わない場合、別途、「強制執行」という手続が必要になります。

 ですから、「裁判をして取り返したい」という「裁判をする」(→勝訴判決をもらう)ことと、「取り返す」(→回収する)こととの間には、大きな壁があるわけです。

 裁判をして、勝ったはいいけれど、結局回収できず、裁判の費用倒れになることもあります。

 話を戻しますが、債権回収で重要なのは、予め、相手がどのような財産を持っているのかを調べておくことです。

 支払が滞ってから、どうしようと考えていては手遅れになるのが大半です。

 確実に債権回収をしたいのであれば、お金を貸したり、取引をする段階で、相手方にどのような資産があり、滞ったときには、どのような財産から回収できるかを考えておく必要があります。

 「財産」としては上記には不動産・動産・債権をあげましたが、言うまでもなく「会社の信用」や「技術力」、「実績」なども財産ですので、これらも併せて総合的に考慮して、回収可能かどうかを考える必要があります。

 ただし、法的に「技術力」や「会社の信用」を差し押さえることはできませんので、強制執行の対象となるのは、不動産・動産・債権の3種類です。

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2005年7月26日 (火)

中国語の勉強

 先日、国際商事法務という雑誌の「中国案例百選」の原稿の依頼を受け、現在執筆中です。

 これは中国における判例で、有益なものを紹介する原稿です。今回でなんと5回目になります。

 中国語の勉強を趣味で始めたのが約3年前、大阪にいるときは、中国語会話教室に通っていました。2年半通い、去年11月には中国語検定3級に合格できました。

 原稿依頼が来たのは、いずれも大阪での知り合いの弁護士を通じて。なお、いつも「中国案例百選」を執筆されているのは、大阪で熱心に中国関係事件に取り組んでいる先生方ばかりで、趣味に毛が生えた程度の私が名を連ねること自体、おこがましく感じております。間違いなく、「私が一番低レベル」です(謙遜でも何でもなく、本当の事実です)。

 以前に比べると、翻訳はだいぶんできるようになりましたが、やはり辞書と格闘しながら原稿書いています。

 中国語を始めたのは、台湾旅行がきっかけでした。

 台湾は食べ物も美味しく、人も親切ですし、何よりも、驚いたのは日本風の建物が残っていたことです。同じ「経済大国」でも、香港に行ったときは日本の匂いなど感じませんでしたが(当たり前ですが)、台湾では随所に日本の匂いを感じました。

 また、お店の人も結構日本語で話しかけてくれます。

 台湾の方々と意思疎通ができるようになればと中国語を始め、大阪で中国関係の仕事に取り組んでおられる先生方のお仲間にも入れて頂きました。

 しかし、台湾とは国交がないせいか、台湾の情報はほとんど入ってきません。台湾からの直接の仕事もあまり聞きません。

 機会があれば、こういう仕事にも取り組んでみたいなと思っております。

 なお、偉そうに原稿書いていますが、中国関係の仕事は、直接お受けしたことはありません。

 仕事に取り組むにも、中国語検定3級(日常会話程度です)のレベルでは、早口で話されるとさっぱり分かりませんので、レベルアップを図らねばなりません。ニュースでも、「多少(tuo shao)」とか、片鱗を聞き取れる程度では、話になりません。

 金沢に来ても中国語の勉強続けようと思っていたのですが、会話教室に通う余裕がなく、中断したままです。

 この度の原稿依頼により、勉強せざるを得ない環境が出来たことは大変有り難いことです。

 なお、原稿は、おかしなことを書かないよう、中国法に詳しい先生に見て頂いておりますので、ご安心を(と言いましても、誤りがあれば私の責任なのは当然ですが)。

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2005年7月15日 (金)

首相の靖国神社参拝

 昨日、金沢のとある先生から、「ブログ見てるよ!」と励ましのお言葉を頂き、頑張って更新せねばと、早速今朝から原稿作りました。

 さて、今年も終戦記念日が近づき、毎年恒例の首相の靖国神社参拝の是非が議論されております。

 戦没者及び戦没者遺族への配慮、近隣諸国への配慮をどうするか等問題はありますが、これらはさておき、法律的には、「政教分離」が問題となります。

 「政教分離」とは、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」(憲法20条1項)、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」(憲法20条3項)と定められているものです。

 靖国神社は、一宗教法人ですから、「内閣総理大臣 小泉純一郎」などと記帳し、公用車で参拝するのは、靖国神社を「国」として特別扱いしており、政教分離違反なのではないかと問題になります。

 しかし、政教分離が憲法上定められているからといって、全く関与が許されないわけではありません。もし全く関わってはならないということになれば、たとえば仏閣を文化財として保護することも許されないことになりますし、もっと極論すれば、神社や寺が火事になっても消防車も入れないとか、犯罪被害にあっても警察の捜査もだめということになります。そんな馬鹿な話はありません。

 そこで、政教分離違反になるか否かは、単に形式的に関わったかどうかではなく、実質的に、特定の宗教を優遇したか否かで判断されます。

 最高裁の判例では、「目的・効果基準」という判断基準を使い、「目的が宗教的意義を持ち、その効果が、宗教に対する援助・助長・促進・圧迫・干渉になるか」という観点から判断します。

 福岡地裁は、傍論ではありますが、明確に憲法違反だと判断しました。

 戦没者及び戦没者遺族への配慮、近隣諸国への配慮、政治的な配慮等はさておき、法的に考えますと、やはりどう考えても憲法違反だろうと思います。

 靖国神社に参拝するということは、靖国神社には戦没者の霊魂が鎮座しているという宗教的思想から参拝するわけで、公用車で行って「内閣総理大臣 小泉純一郎」と書いたりすれば、国が公務として参拝したということは揺るぎないでしょう。

 ということで、法律家としては、首相の靖国神社参拝は、憲法違反と言わざるを得ません。もちろん憲法を改正して、靖国神社を国家宗教化すれば、「憲法違反」にはなりませんから、靖国神社に参拝を継続したい派の人は、憲法改正議論の中に、政教分離の問題も入れるように政治的運動をすればよいのではないかと思います。

 以上が法的な問題です。以下は個人的な考えです。

 さて、政教分離や近隣諸国への配慮の問題があることから、最近、「無宗教の戦没者追悼施設」を作ったらどうかという案も議論されていますが、個人的にはこの案には非常に違和感があります。

 「無宗教の戦没者追悼施設」なんてあり得るのかなと思うからです。

 憲法にいう「宗教」とは、「超自然的、超人間的本質(すなわち絶対者、造物主、至高の存在等、なかんずく神、仏、霊等)の存在を確信し、畏敬崇拝する心情と行為」(名古屋高裁判決昭和46年5月14日行集22巻5号680号)とされています。

 靖国神社に行くのも、亡くなった人を慈しむため。とすれば、戦没者追悼施設に行くのも、それも、根本的には靖国神社を参拝している心情と同じなのではないかと思います。「死後など存在せず、人間が死ぬということは物が壊れることと同じだ」と考えるのであれば、追悼する必要もないからです。

 つまり、「無宗教の戦没者追悼施設」と名前をつけたところで、「死んだ人間を追悼する」という行為自体が、「超自然的、超人間的本質の存在を確信し、畏敬崇拝する心情」に基づいているように思います。靖国神社の前身である東京招魂社ができたのも、そういう心情からのようですし。

 ですので、「無宗教の戦没者追悼施設」を作ったところで、「無宗教の戦没者追悼施設」という名の「国家宗教」ができるだけでは?と思うのは私だけでしょうか。

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2005年7月11日 (月)

架空請求の対処法(2)

 先日、架空請求の対処法について書きましたが、私の依頼者にも早速架空請求が来ました。

 「○○○法律事務所」という名前で、「裁判起こしたから、取下げてほしければ、手数料払え」というような内容のものでした。

 最近、弁護士や裁判所の名前を騙った架空請求も流行っております。

 対処法としては、

1 まず、その弁護士や法律事務所が実在するのかどうか確認すること

2 実在した場合、その法律事務所に電話確認すること(ただし、架空請求葉書に書いてある電話番号に電話してはいけません)

 です。

 実在するか否かの調べ方は、一番早いのは、日弁連のホームページ(http://www.nichibenren.or.jp/)の「弁護士情報検索」で検索することです。

 法律事務所や弁護士名で検索したら、出てきます。私なら、「氏名」の欄に、「細見」「孝次」と入れて、検索ボタンを押すと、ヒットします。実在しない弁護士なら、ヒットしません。

 私が先日相談を受けたケースでは、実在しないことが分かり、100パーセント詐欺であることが分かりました。

 仮に実在したとしても、信用してはいけません。実在する弁護士の名前を勝手に使う詐欺業者がいるためです。

 実際、有名な弁護士の名前を、詐欺グループが勝手に使っているケースがありました。

 ですので、電話確認する必要性があるわけですが、ただし、「葉書」に書いてある電話番号は、詐欺師直通の電話番号ですから、ここに電話してはいけません。

 日弁連のホームページで出てきた電話番号に電話確認したらよいでしょう。

 また、葉書の内容を見れば、法的にあり得ない請求をしていれば、100パーセント詐欺だと分かりますが、これは法律の知識がないと見分けは難しいかもしれません。

 法的にあり得ない請求とは、たとえば、「裁判を取り下げるから、手数料30万円払え」とか、「元金1万円 違約金30万円」などと法外な違約金が記載されているものなどです。弁護士に相談されたら、法的にあり得る請求か、あり得ない請求かはすぐに分かりますので、ご相談下さい。

 相談料がもったいないという方は、上記の方法で、自分なりに確認されたら、相談料もかかりませんので、よいでしょう。

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2005年7月 6日 (水)

交通事故相談

 昨日は石川県庁の交通事故法律相談を担当しました。

 交通事故の事件は法的に複雑怪奇な問題も沢山ありますが、現実的には、任意保険に加入していれば、保険会社の担当者(もしくは保険会社の顧問弁護士)が相手と交渉してくれますので、負担は少ないです。

 自動車の場合は保険制度がかなり整備されていますが、自転車の場合が実は問題です。

 現実社会において、自転車は、歩道を走っています。横断歩道の上を通ります。自転車を押してあがる歩道橋もあります。ですので、「歩行者」と思われているかもしれません。

 しかし、法律上は、「軽車両」(道路交通法第2条1項11号)とされており、「車両」なのです。ところが、「自転車賠償責任保険」などというものはありませんので、無保険で走っている「車両」です(但し、過失相殺等の際、普通自動車と全く同じに扱われるということではありません)。

 お年寄り等が自転車と衝突して亡くなられる事故もありますが、その場合は保険金が下りないわけです。しかも、自転車事故の場合、加害者は、中学生や高校生であることも多いですから、加害者自身に支払うほどのお金がないケースも多いです。加害者が未成年者であっても、親が賠償義務を負うとは限りません。

 死亡事故や重度の後遺症が残る事故の場合、慰謝料だけでも2000万円を超えるケースもあります。そうすると、被害者側はほとんど賠償を受けられず、加害者も若い身で数千万円の債務を負ってしまうことになり、両者ともに不幸です。

 自転車もそこそこの危険性は存するわけですし、実際に死亡事故も起こっているわけですから、何らかの保険制度を考える必要があるのではないかと思っております。

 ちなみに昨日の法律相談は、自動車と自動車との事故についての相談でした。

 金沢市は道が狭いところも多く、私も金沢に来てから、何度もぶつかりそうになっています。さほど運転うまくないので、気を付けたいと思います。

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2005年6月29日 (水)

弁護士が相談を受けられない事情

 早いもので、金沢へ来て2ヶ月が経ちました。

 「梅雨で気が滅入る」と聞いていたのですが、今年は梅雨入りが遅く、昨日雨が降り出したばかりですので、引っ越ししてから2ヶ月間は非常に快適でした。これからがやや憂鬱ですが。

 ブログの更新も1週間以上空いてしまいました。すいません。忙しかったためです。

 当初は、開業後半年ぐらいは暇だろうと思っていたのですが、結構仕事があって忙しく、嬉しい悲鳴を上げております。

 仕事は、法律相談から受任したものもありますが、大半は、金沢の弁護士から紹介してもらったものです。金沢の先生方には深く感謝しております。

 さて、金沢の弁護士は、自分で依頼を受けずに、私を紹介しているケースがあるわけですが、「なんで自分で仕事しないの?」と疑問に思われる方もあるでしょう。

 弁護士が他の弁護士を紹介する場合、「他の仕事が忙しくて、依頼を受けられない」等というケースもありますが、概ね「利益相反(りえきそうはん)」を理由とするケースが多いように思います。

 私も「利益相反」を理由にお断りしたことがありますが、なかなか理解して頂けませんでした。今回はこの「利益相反」について少し書いてみたいと思います。

 「利益相反」とは、簡単に分かりやすくいえば、「喧嘩している2人につき、2人ともの弁護をするのは駄目」ということです。

 たとえば、AさんとBさんがもめているとします。

 弁護士が、最初にAさんから相談を受け、Bさんへの法的対抗手段をアドバイスします。

 その後にBさんから相談を受けたとき、Aさんへの法的対抗手段をアドバイスしてはなりません。この場合、Bさんからの相談は、「利益相反」を理由として、お断りすることになります。

 さて、なぜ紛争の両当事者につき、両方ともにアドバイス等をしてはならないのでしょうか。

 弁護士は、相談者・依頼者の利益のために活動をすべき義務を負っております。

 Aさんから相談を受ければ、Aさんの利益を考えて、アドバイス等をしなければなりません。Aさんの利益になるということは、逆から言えば、Bさんにとっては不利益になるアドバイスをするわけです。

 Bさんから相談を受ければ、Bさんの利益を考えて、アドバイス等をすることになります。それはAさんにとって不利益なことです。

 つまり、Aさんの利益を最大限に考えながら、かつ、Bさんの利益も最大限に考えるというのは、不可能なのです。両方にアドバイスをすれば、どちらかの利益が害されます。

 喧嘩している2人につき、2人ともに味方するというのは、自分一人で両手でジャンケンをしているようなもので、必ずどちらかが手抜きになります。

 そのため、弁護士は、紛争の一方当事者にしかアドバイス等をしてはならないということになっているのです。

 Aさんから既に相談を受けた等という事情がある弁護士が、Bさんからも相談したいと言われた場合、Bさんからの相談は受けられないため、私を紹介して下さっているということです。

 しかし、別の弁護士であれば誰でもよいわけで、「私」である必然性はどこにもありません。つまり、金沢の先生方は、開業したばかりの「私」の経営を気遣って下さっているのです。有り難いことです。

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2005年6月15日 (水)

架空請求の対処法

 最近少し相談が減りましたが、相変わらず架空請求の被害は後を絶たないようです。

 最近数件相談があったのは、アダルトサイトにアクセスして、適当にボタンをクリックしていたら、いつの間にか入会したことになっており、入会金や、退会手数料を請求されたというものでした。

 対処法は簡単です。

 「無視」

 とにかく徹底的に無視することです。

 架空請求業者は脅してきます。「裁判起こしますよ」などと電子メールやダイレクトメールを送ってくるのが定番です。

 ここで反応してはいけません。無視してください。

 一番いけないのは、架空請求業者に問い合わせをすることです。問い合わせをしたりすれば、「私は請求されてびびっています」という意思表示をしているのと同じです。架空請求業者からすれば、「鴨がネギしょってやってきた」という状況になります。架空請求業者は、これ幸いと言葉巧みに脅してきます。

 また、より一層しつこく連絡してくるようになります。せっかく来た「鴨」を逃すまいと必死になるからです。

 よって、無視。

 とにかく無視。

 何度メールを送ってきても無視。絶対に反応してはなりません。

 既に連絡してしまった場合、「払う必要がないことが分かったから払わない」と一言言って、以後連絡をとらないようにしてください。

 「裁判起こす」と言われたら、「どうぞ」と言って下さい。裁判起こすには、自分の住所や氏名を明らかにしなければなりません。架空請求業者は詐欺師ですから、詐欺師が自分の居場所や名前を正々堂々と明らかにするはずがないのです。

 ・・・と思っていたら、最近、本当に裁判起こしてくる悪質業者がいましたので、裁判所からの書類が届いたら、迷わず弁護士のところに相談に行って下さい。対処しなかったら、詐欺師の言い分を裁判で認めてしまったということになりかねませんので。

 それから、もう一つの注意点としては、「絶対に支払わないこと」です。

 人がいい方なら、「数万円払って済むものならば、払って解決しよう」という考えを持つことがあります。

 しかし、払ったら最後、あなたは「鴨リスト」に載ると思って下さい。

 一度支払ってしまえば、架空でも何でも脅せば金を出す人(=カモ)だと架空請求業者は認識するわけです。何度でも形を変えて請求してきます。より一層架空請求を招くのです。払っても解決しないということです。

 よって、架空請求業者にお金を支払うことは、火に油を注ぐようなもので、全く解決になりません。ですから、絶対に支払ってはなりません。

 架空請求というのは詐欺です。つまり、架空請求業者は詐欺師です。すなわち、架空請求業者は犯罪者です。犯罪者とまともに応対する必要などないのです。適当にあしらって、無視していればよいことです。

 それでも心配であれば、支払う前に弁護士に相談して下さい。相談料かかってもその方が得です。私のところに相談にこられたら、「無視してください」の一言で終わってしまいますが(短時間で終わりますので5250円で済みます)。

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2005年5月23日 (月)

ゴルフ場の預託金

 本日は、ゴルフ場の預託金返還についてご相談をお受けしました。

 バブル当時、全国各地にゴルフ場ができ、多額の預託金が集められました。

 その後バブルが崩壊し、ゴルフ場の経営が悪化して、返還されるはずの時期に返還されない。

 預託金の返還が遅れるだけでなく、ゴルフ場自体が倒産するケースも多発しております。

 預託金の返還を求める裁判も多発していれば、ゴルフ場の倒産も多発しております。

 ちなみに、バブル当時、私は高校生でした。

 ですので、当時、「バブル崩壊」といわれても、ピンとこなかったというのが正直な感想です。社会人になったのは、「失われた10年」が過ぎた頃でした。

 数千万円で購入したゴルフ会員権が数十万円でしか売却できなかったケースを見たとき、バブル当時はなんとすごい時代だったのかと思いました。

 今から考えればどう考えても異常ですが、熱狂しているときは、分からないものなんですね。

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